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いざ尋常に
「こ、これは、ゴホン、テオドロス近衛兵団団長様!違うのです!これは、その……」
「何が違うのだ? 剣が実戦に耐え得るどうかの試験をするのだろう?」
「え、ええ……。ですからどれくらいの耐久性があるか、一人一人順番にルナさんと立ち合いをして……」
「さっきの提案通り、3人同時でいいだろう?」
テオはルナに視線を合わせた。
「もちろん構いません」
貴族と護衛の兵士3人は何が起こったかを理解するのに時間がかかった。助け舟を出しに来たであろうテオドロス近衛兵団団長が1対3の戦闘を認めた……?
「これは剣だけでなく、ルナさんの試験でもあります。複数戦でどれだけ出来るかを見てみたい」
とりあえず今は処罰されないことを悟った貴族とその兵士達は、できる限り紳士であろうとし始めた。
「もちろん、1対3なのだ。お前たち、うら若き少女に本気を出すなどという事は考えるでないぞ!」
「はい!もちろんであります!」
その場の全員が店に隣接している立ち合い、及び試し切りが出来る広場へ出た。そこで審判を務める近衛兵団団長が言った。
「一つ頼みたいことがある。3人とも本気を出して欲しい」
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