鍛冶屋の看板娘

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鍛冶屋の看板娘

 ガララララ!!  5人組の男達が店の戸を開ける。うたた寝をしていた店番の娘が目を覚ます。 「ルナちゅわぁぁん!!会いに来たよぉ〜」 「……いらっしゃいませ」  凄腕の鍛冶屋を父に持つルナは、鍛治の技術を教わりながら、看板娘として店番を任されていた。  しかし看板娘というにはとても似つかわしくない、いささかの笑顔もない態度で応えた。 「ねぇねぇ冷たいじゃないの〜?」 「もっと笑顔で接客しないとダメだよぉ?」 「寝ぼけてたのかな?悪い子だねぇ、フヒヒヒィ…」  男達の下品でねっとりとした視線は躊躇する事なく、ルナの長く美しい黒髪、整った顔、そして適度に膨らんだ胸の果実に絡みつく。 「何かお買い求めになりますか?」 「フヒヒヒ、じゃあ防具を作ってもらおうカナァ」 「どのような防具をお求めですか?」 「うーん、"女を支配する魔力"が付いてるのがいいねぇ、フヒヒヒ」 「……そんなものはありません」  男達が一斉にニヤニヤと笑う。 「採寸しますのでこちらへ」 「はぁ〜い!フヒヒヒ」  彼らの中でも一番体格がよく、泥と汗の臭いが一段とひどい男が幼児のように手を挙げた。カーテンで仕切られただけの試着用のスペースで、男の腰周りを採寸するため膝をついて腰に手を回した。  その瞬間、ルナは軽く首の後ろを殴られた。そして時間差で、何か首に刺されたような痛みを感じた。身動きが取れなくなって初めて、それが痺れ毒だということに気がついた。 「フオオァォ!お前らいいゾォ!」  カーテンが開けられ、残りの4人が動けなくなったルナを抱きかかえ床に寝かせる。  久しぶりの獲物にありつく野良犬のように、5人の男達はルナの足に、脇に、胸に、髪に、股に、身体中に顔を近づけ、匂いを嗅ぎ、舌を這わせる。  16歳の少女の甘い香りが男達を夢中にさせた。 「嫌っ……やめて……」  声にならない声をあげるが、それは男達の欲望の炎に油を注ぐだけであった。  ルナには1秒が10分にも1時間にも感じた。しかし実際に彼女が男達の玩具になっていた時間は、それほど長くはなかった。
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