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「お兄ちゃん…?」 「ふみ。聞いてくれ」 「う、うん」 「実は報告があるんだ。僕はララちゃんという存在しない架空の彼女と決別する」 「……え?」 「実は僕、石川さんと付き合っているんだ。多分…、結婚もする」 「………えっ!?石川さんって、石川百花さん!?」  すると兄は徐に首肯した。  兄はゲームと現実が混合しているのではなく、妄想と現実が混合しているんだと青ざめたが、その後兄が説明した付き合うきっかけや、パリンメッセージのやりとりの画面を見せてもらうと、これは間違いなく現実なんだと兄の言葉を信じることができた。    確かに石川さんは兄がドチャクソにタイプだと言っていたし、気になっているような言動もしていたと思い出したが。  驚きが大きすぎる。  気づけば汗をかいていた。  交際一日目で体の関係も結んだという話には驚愕し、兄を自分とは違うレベルに達した人物に感じた。  そうなると、次に兄が話し出した恋愛における助言が的確に聞こえてくる。  私はメモ帳を取り出し、兄の言葉を一言も漏らさず書き綴った。 「ちなみに僕、世に出てる恋愛シミュレーションゲームはだいたい手つけてるから」  自慢気に話した兄は、私が想像していたより何十倍も恋愛の知識も経験も豊富だったのだ。  兄は妙に饒舌になりながら、夜遅くまで私に知識の宝を分け与えてくれた。
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