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 どこもそんなに好きじゃないわーい!と、言いたいけど言えないので、登坂さんにフォークを握らされた流れのまま、私は黙ってワッフルを食べ始めた。  ワッフルとイチゴを交互に口に入れて咀嚼する間、登坂さんは食べもせず、「俺はねぇ、そうだなぁ。ふみちゃんが手慣れた感じでコーヒー作ってる背中が好き。あとはね、」など、私に顔を向けて話してくる。  この人は一体どうしたんだと困惑しつつも、これはどうせ揶揄っているのだから真に受けてなるかと、左の耳から右の耳へ流していく。 父のパチンコ武勇伝を聞かされる時によく使う私の技だ。 「ふみちゃん、照れてるんだね」 「…照れてないです」 「ははは、そっかそっか。じゃあ焦っちゃうふみちゃんの為にも話題変えよう。そうだなぁ、質問タイムでもする?俺に訊きたいことない?あるよね?なんでも答えるよ?NGないし、事務所とか入ってないし」  芸能事務所入ってそうでしょ俺?よく言われる~、と言いながら、登坂さんはようやくフォークでイチゴを刺し口に運ぶ。  登坂さんについて訊きたいことはないけれど、気になることは一応ある。 「じゃあ、あの、兄とは仕事場でどんな感じなんですか?」  最近は兄のことをサムと呼んで、ポイントカードを家まで渡しに来るほど二人は親し気になった様子。  でも実際はどうなのだろうと気になっていて質問したのだけど、新鮮なイチゴを口に入れているとは思えないような渋い顔をされた。
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