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結局安藤さんと…かあちゃんは二人して崩れたジェンガを集め始めた。
ちょっと激しめな小突き合いをしているが、遠目でみるとかわいいじゃれ合いだ。
ごちそうさまです。
「……なあ」
「はいなんでしょう」
「お前、メンタル強いな」
「え、ああ。よく言われます。」
金髪高身長が唐突に話しかけてきた。
なんか見上げるの癪なんだけど。
しゃがめや。
「俺も2年やから敬語じゃなくてええで。なんならクラス同じやし。」
「え、まじ?ごめん。気づかなかったわ。」
「今日クラスの方行ってないからそりゃそうや」
そっか。確かに初めて見るような気がしなくもないわ。
金髪なら何人かいたけど。
それより…
「…、もしかして関西人?」
「え、おお、そやけど。」
「…よっしゃ」
胸の前でチイサクガッツポーズをする。
関西弁キャラに悪い奴はいないんだよ。
同クラだし、ぼっち回避できるかも…!
「俺来栖令!よろしく!」
「おう、俺は本間…おっと」
右手を差し出すと同時に、一歩詰め寄ると本間は一歩後ずさった。
「俺、ノーマルやねん。親友やと思っとった奴に襲われてから、周りと上手く関われへんようになってここに入ったんや。」
「お、おお…。」
あまりに唐突なカミングアウトに一瞬フリーズしてしまう。
なんか嫌な予感が…。
「やから、お前のこと信用できるまで俺の半径1メートル以内に入らんとってくれる?」
お前のこと信じてねぇからって遠回しに伝えてるやつーー!きたー!
まあ、周りから見た俺ってクソビッチらしいしな。しゃあないわな。
今すぐ生徒全員集めて『お前のこと、だれがすきなーーーん?!』っていってやりてぇ…。『こっちにも選ぶ権利あるんですけどーー?!』って…言ってやりてぇ…!
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