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スマホの待ち受け画面で白波賢人は、床に座って丸い目でこちらを見上げている。
見上げることで、大きな丸い目をさらに強調。
ほんの少しだけ口角をあげた、微笑みを隠した口元。
あざとい。
そのあざとさがたまらない。
見ているこちらまで口角が上がってしまう。
ああ、今日も可愛い。
いたずら好きな子犬みたいでたまらない。
どうぞ待ち受けにでもお使いくださいとアップしてくれた数枚の写真を大事に保存し、使わせてくれる白波賢人の心の広さに感謝。
今日も拝ませてくれてありがとうございますう~。
「おはよう」
いきなり背後から声をかけられ、慌ててスマホを隠す。
「わ! びっくりした」
「どうせまた白波賢人の情報をあさっていたんでしょ」
アイスコーヒーのカップを持ってあたしの隣に座った沢田まゆらは、含み笑いをしてあたしを見た。
「何?」
「いいこと、教えてあげよーか」
「いいこと? 何?」
「えーどうしよーかなー。プリンおごってくれたら教えてあげる」
「プリン?」
「学食の、プレミアムプリン」
「えー、普通のプリンじゃ駄目なの?」
「超すごい、ビッグニュースだよ? 聞いたらありさ、ギャーって叫んで目からハートが出ちゃうと思う」
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