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初めての熱さ
「……あ…も…だめ…」
「なにが?」
乳首から、鎖骨、首筋と這い上がってくる快感。
「……はんっ…」
慧史さんが、俺の耳を甘噛みしながら声を出すから、耳に流れ込む熱い振動に身が捩れた。
「輝のここ、気持ちいいって、言ってるよ?」
「やんっ……」
キュッとぺニスを握られて、腰が跳ねる。
「ほら、俺の手、こんなに濡れてる」
慧史さんの手が俺のペニスから離され、俺の目の前に持ってくる。それが俺の先走りでテラテラ光ってるのも恥ずかしいけど、何より、手が離されてもまだ倒れることなく天を向いてるペニスが恥ずかしくて、肩肘をついて俺を見下ろす慧史さんの胸にしがみついた。
「いじわる…っ」
スーツを着てるとわからないけど、裸のその胸や腕はかなり筋肉質で、そしていつまでも嗅いでいたいような匂いがして。気がついたら目の前にある滑らかな肌に自然に舌を這わせていて、それには自分でも驚いた。
たちんぼしてた俺が今までマグロだって言われていたのは、ふてくされてるとか、やる気がないとかってことより、どうしていいかわからなかったからって方が大きかったから。
「ギャップ? 可愛いこという割りに色っぽいこと、してくれるじゃないか」
両腕を掴まれ体を引き剥がされたかと思うと、慧史さんの胸を舐める為に出してたままの舌が、慧史さんのそれに絡みとられた。
「……ん……ぐ……」
貪るようなキス。
唾液が、流し込まれるのが分かる。
ああ。
こんなキスは、もうキスじゃない。
これは、これだけで立派なセックスだ。
「あっ……」
唾液が流れ出るみたいなキスから解放されると、今度はベッドの上にうつぶせに倒された。お尻を突きあげるように持ち上げられさわさわと撫でられる。
現実に引き戻されたような恥ずかしさと、これから訪れるであろう苦痛に体が強張った。
挿入行為は苦手だ。
何回突っ込まれたかしれないけど、今まで挿れられて気持ちよかったことなんかなくて、腰を振られてる間さっさと達ってくれればいいのにって、ずっと思ってた。
指が孔を掠める。秘部への新しい刺激にビクンと体が揺れた。
ローション、拡張、挿入。
セックスの流れはそういうもんで、まあ追加オプションで、ここに相手へのフェラチオが入るかどうか。
そんなこと考えてたから、だから、思わず後ろを振り返ってしまった。
「……そ……んな……あー…あぁ」
だってただ触られてるだけにしては気持ち良過ぎて。
吸い上げられるような感触は、指には無理で。
だから、そうなると……。
「や……だめだよ、そんな、の……きたない……」
俺の孔の周囲を這うのが慧史さんの舌だってわかって、もう、ビックリして腰を引こうとしたのにガッチリ掴まれてて。
慧史さんは一旦顔をあげると、殺人級に色っぽい挑むような笑みを浮かべて、俺を見据えたまま尖らせた舌で自分の唇をベロリと舐めた。
「……はんっ……」
ジュルっと、わざと卑猥な音をたてて秘部を吸い上げられると、今度は唾液ごと押し込むみたいに舌を突きたてられた。
こんなこと、されたこと、生まれて初めてで。
それも、神様が本気を出して作ったみたいな綺麗な人に。
「ああ……もう…」
尖らせた舌を何度も出し入れされてる内に気がついたら俺は腰を揺らしてた。
「……は……きも…ち……い」
俺の言葉に呼応するみたいに、慧史さんの長い指がギンギンに勃起した俺に絡んで上下に動かされる。
「あ……も…イきそ……」
巧みな指の動きに、射精感が込みあげた。
と、そこで慧史さんの指の動きが止まる。
「……あ…」
ふわりと俺のペニスを包むだけになった慧史さんの指。
あとちょっとでイくってときに、なんで?
俺はイく為に必要なあと少しの快感を自分自身の手で得ようと、手を伸ばした。
「だめだろ、自分でしちゃ」
「あんっ」
後ろ手にねじりあげられ、ちょっとした痛みと扱けない状況に、もどかしくて泣きそうになった。
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