あなたと離婚して、幸せになります。

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* 「んっ」 朝、カーテンの隙間から差し込む太陽の光で、目が覚める。 携帯を確認すると、7月15日(月)_7時40分と表示されている。 …まだ8時前か…少し早く起きちゃった…。 でも、二度寝するほどの時間はない。 うん、よし。 もう、起きちゃおう。 音を立てないように上半身を起こそうとすると、ぎゅっと大きな腕に掴まれた。 「んぅ〜…スゥー…」 起こしてしまったかと思いきや、すぐに寝息を立てて寝出した彼。 目にかかりそうな髪の毛を、優しく払い退けた。 「寝顔は本当に少年みたい」 ふふっと自然と笑みが溢れてしまう。 私、坂野歩実(さかの あゆみ)。 今年で28歳で、職業はウェブデザイナーの企画をしている。 そして、横で寝ている彼は、私の夫。 坂野誠司(さかの せいじ)。今年で30歳。 少し長いまつ毛に、細い目。 起きている間は、キリッとした顔。 なのに、寝ている間は子供のように顔が幼くなる。 夫とは付き合って2年、結婚生活は今年で4年目の計6年一緒にいることになる。 職業は同じくウェブデザイナーだ。 けれど、彼は今、営業担当に部署移動したため、私とは同じ会社であってもあまり会うことはない。 「んぅ…、あゆ、み?」 目を摩りながら、声をかける誠司さん。 …起こしちゃったみたい。 「ごめんね、起こしちゃった?」 誠司さんの柔らかそうな頬を撫でながら、声をかける。 「んん〜…」 顔をブンブンと左右に振って、私の腰あたりに顔を埋めた。 そんな誠司さんを見て、可愛いなあと母性本能が擽られる。 「もう少し寝てても大丈夫だよ?」 「歩実も起きるでしょ?俺も起きる…」 上半身をゆっくりと起こし、ぎゅっと私を後ろから腰に手を回して抱きしめる。 「ふふっ、誠司さん?」 嬉しくて口角が上がるのはわかる。 「歩実、おはよう。 今日も好きだよ」 付き合っている時から、結婚してからも変わらず、毎日のように甘い言葉を囁いてくれる夫。 「うん、私もだよ」 そう言って、お互いに唇を重ねた。 この幸せがずっと変わらず続くと、そう思っていた。 この時まではーー。
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