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現在12:59分、起きるにはまだ1分ほど早い時間。
そのまま眠っていたいところだけどもうすぐ時間はやってくる。
「おっはようございます!結乃マスター!!」
スリープモードをコンマ単位で解除して、指定された時間にそれはもう元気に大声尾を張り上げる。
それを聞くなりマスターはヘッドホンを床にたたきつけた。
「うっせぇ!!もうちょっと音量下げろ近所から何件苦情来てると思ってんだ!!」
マスターは大分不機嫌な顔です、眉間にしわがいっぱい寄ってますし。
「確かお隣の九条さんから苦情が5件ほど、暮真さんからクレームが3件ですね。ちなみにマスターの反論でも苦情が来てますよ?」
「それは後で謝っとく、だけど1時間おきのモーニングコールでアラーム並みの声出すな!耳に響くんだよ!」
「ヘッドホンしてるじゃないですかー、どうせエッチな動画でも見てたんじゃないですかー?」
「見てねーよ、お前のコール対策だよ、なのになんで易々と貫通してくるんだよ」
「遮音性能が悪いとかじゃないですか?安物買いの銭失いってやつですよ」
「いいや、俺はお前の音量のデカさだと思うね。今すぐ確認と調整してやる!」
そう言うなりマスターは手元の端末を私に向けてボタンを一押し。
そのまま手元の画面を見てまた驚愕の顔です。
「あーー!やっぱお前音量最大まで上げてやがったな!」
バレましたか、流石に内部のデータまでは隠しようがありませんね。
「時間確認を頼まれたので絶対に気がつくようにしてみました、どうでしたか?」
「どうでしたかじゃねぇよ!何度も言ってるだろ勝手に音量を調整するな!」
「ちぇー、わっかりましたよ反省してまーす」
「本当に反省してるのか?また何かやらかしそうで怖いんだよ」
なにも有益にならない会話を繰り広げていると不意にマスターのパソコンにメッセージランプが灯ります。
私としてはまだマスターとの無駄会話を楽しみたかったのですが、ここが光るという事はつまりはお仕事の依頼です。
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