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身元不明だった遺体から身元特定出来たのは、ある家族の失踪事件が今回の事件と繋がると警察が捜査したからだった。
そのきっかけは、とある人物から家族が消えたとの通報だったらしい。
警察の調べで夜逃げなどの計画性はなく財布やスマホ、車だけがなく、どこかに出かけ失踪してしまった可能性があると憶測された。
しかしそれ以上の進展はなく、こちらも行方不明と扱われていたが、捜査の進展により二つの事件が繋がったと警察より正式発表され、大々的に報道された経緯があった。
しかしプライバシーの観点からか、誰が通報をしたかは当然分からなかった。
また、失踪中の長男は今だに見つかっておらず、警察は長男も事件に巻き込まれている可能性と、事件の容疑者両面で捜査していると発表している。場合によっては指名手配も視野に入れているとのことだった。
「通報した方は誰なんでしょうね? ご近所の方でしょうか?」
「いや、それは出来ないよ」
「え?」
「佐々木が居なくなった時に、捜索願いを出そうとしていると君に話した事があったよね? その時に調べたけど、出せるのは『親族などの血縁関係にある人』、『雇用主』、『同居人』など社会的に関係性を認められる人じゃないと警察は受理してくれない。例え関わりが深い友人とかご近所の方でも第三者は簡単には出せないよ」
「知りませんでした。それなら、亡くなったご夫婦の勤務先の方か親族の方でしょうか? 」
「その可能性が高いけど、まだ分からないね」
薫は、今分かったこともノートに書き留めていく。
「え!」
その時、課長の声が響いた。
「ど、どうしました……」
「こ、これ、これ見て!」
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