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眠いけど、幸せいっぱいな気持ちがダダ漏れ状態の表情で出勤した私は、早速加奈子から突っ込まれ、「いい出会いがあった。」とだけ答えた。加奈子は羨ましい表情を浮かべながらも「やったじゃん、おめでとう。」と言ってくれた。
それから毎日のように昂矢と連絡を取っており、二人の都合が合えば、仕事の後に会い、その度に肌を重ねることが普通になっていた。
出会ってから一ヶ月後。
今日もホテルで激しく互いの体温を感じていると、昂矢はいつもと違う感じで激しい内容を要求してきた。
昂矢が好きな私は、戸惑いながらも昂矢のリクエストに応えたいと出来る限りのことをした。
行為が終わると、昂矢は満足そうな表情で布団を被り眠りについた。私は下半身に痛みを感じて眠ることが出来なかったが、それを昂矢にバレたくなく布団に包まって耐えていた。
昂矢は私が好きで、もっと私を感じたいんだ。私も昂矢が好きだもん。私も頑張らないと。私が今になって昂矢と出会えたのは、絶対運命だもの。
私は「運命」という言葉に溺れていることにまだ気づいていなかった。
それから、昂矢からの行為の誘いは毎日続き、その度に内容もエスカレートしていった。私は最初にあった気持ち良さは全くなく、ただただ痛く苦痛な時間だった。
でも、行為が終わって二人で寝ている時に、何気なく昂矢が「凄く良かったよ。」と言って頭を撫でてくれる瞬間に、一気に幸せな気持ちに変わる。
昂矢を満足させられるのは私だけ。つまり、昂矢には私が必要なんだ。
数週間後。
今日もいつもの通り朝帰りし、パッとシャワーを浴びて出勤をした。すっかりこの生活に慣れていて眠気等は無いのだが、下腹部の違和感だけは日に日に増えていた。時々、うずくまりたくなるほどの痛みが襲うこともあったが、少し我慢すれば治まるので病院には行かなかった。
そんな痛みが出勤途中に急に襲ってきた。今まで感じたことのない激しい痛みに、私は地面にうずくまり動けなくなっていた。
「…真湖?」
名前を呼ばれて振り返ると、そこには光太郎がいた。
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