改札口で待ってます

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「ふわああ…」  眠くて仕方がないので、あくびにして何とか発散する。  誰もいない静かなこのマンションの1部屋は、私にはちょうど良い大きさだ。  作り置きのキンキンに冷えたハーブティーをコップに注ぎ、ごくり、ごくりと飲む。冷たい稲妻が、身体中を駆け巡るような刺激を感じた。喉の奥がキィンと痛む。  これはいつものルーティン。  …と言っても、最近始めたばかりだけど。  毎朝これを続けていたら、何だかスッキリした気持ちになれるようになった。  それに、毎朝のちょっとした楽しみにもなっているのだ。今日は何を飲もうかな~、とのんびり考えている時間が、一番落ち着ける。  今日は、初めて本格的な授業をすることになっている。楽しみではありながら、少し心配でもある。  子供の頃、まともに同年代の子とふれ合ったことがない私に、障害がある子供たちの気持ちが分かるだろうか?どんなとき傷つくか、どう解決したらいいのか、私にはわかるのだろうか?子供たちに寄り添い、悩みを解決してあげる手助けは、私1人でもできるんだろうか…  様々なことが頭の中に放出され、入り乱れる。  これから自分のもとで授業を受けるであろう子供たちの顔が、ふんわりと滲んで浮かんでくる。  今日は、私について手伝いをしてくれる先生がおられるらしい。  色々聞こう。  関係ないことが、つかの間私の頭の中に現れた。  そろそろご飯を食べよう。
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