第二章 スタリンティアの花の隣

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ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  男が王族だと見抜いていたリリシャはにこりと笑う。 ロクシーヌは男の母、つまり王妃のことである。 「王妃といえど、側妃ですよね」 「何故知っている?」 ロクシーヌの存在は社交界から12年前に抹消されていた。 それでも完全にというわけではない。 その情報をしっているのは男とリリシャ、現国王ほどである。 「さてと、この情報を知っているのは今のところ、私だけなのでご安心ください」 「安心できない」 「とにかくです。私に従ってください」 「私の権力を使えば、薬師なぞ処分できるが」 「あら、そうですか。私を処分したら貴方も命を落とすと思われますが......」 「どういう意味だ? 仲間に頼むのか? 意味がないと思うが」 「仲間に頼まなくても貴方は勝手に死んでいくと思いますけど、まあいいです」 リリシャはあの村のことを思い出す。 あの薬はリリシャの改良が加わった、特別な薬だ。 改良前の薬では助かるのは3分の一ほどでしかない。
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