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第一話 世界の隅で
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村では飢饉が起こっていた。
おまけに病も発生している。
病名はアッチェリンダ。
この村の医師が資料をあさりにあさって判明した病気だった。
そして、医師は見たことのない色の薬を無料で配布したのだ。
それにより、流行った病は収まりを見せつつある。
しかし、飢饉という状況は変わらない。
水が得られないのが何よりきつい。
男たちは食物を得るため、森に出掛けていった。
その間、子供はどんどん亡くなっていった。
そんなとき、村の中心の宿で魔法陣の刻まれた石が見つかった。
こんなときに不審物など......村の人々はみなそう思った。
だが、そこに女がやって来た。
「あら、これ水の魔法陣じゃない」
そう言って。
女の名前はランデリネ。
村の医師と協力して、病を終息させようとした人だった。
彼女自身は飢餓を体験していたため、なんらかの策を使ったらしく、普通に元気であった。
「この線を一致させれば......」
ランデリネが石を捻るとその手から水が溢れてきた。
「え?」
ランデリネは器を持ってきて、その上に石を置いた。
暫くして叫んだ。
「水よ!」
こうして、飢饉の脱出の一歩をまた歩んだのだった。
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