第二章 スタリンティアの花の隣

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第一話 世界の隅で ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  村では飢饉が起こっていた。 おまけに病も発生している。 病名はアッチェリンダ(月夜の女)。 この村の医師が資料をあさりにあさって判明した病気だった。 そして、医師は見たことのない色の薬を無料で配布したのだ。 それにより、流行った病は収まりを見せつつある。 しかし、飢饉という状況は変わらない。 水が得られないのが何よりきつい。 男たちは食物を得るため、森に出掛けていった。 その間、子供はどんどん亡くなっていった。 そんなとき、村の中心の宿で魔法陣の刻まれた石が見つかった。 こんなときに不審物など......村の人々はみなそう思った。 だが、そこに女がやって来た。 「あら、これ水の魔法陣じゃない」 そう言って。 女の名前はランデリネ。 村の医師と協力して、病を終息させようとした人だった。 彼女自身は飢餓を体験していたため、なんらかの策を使ったらしく、普通に元気であった。 「この線を一致させれば......」 ランデリネが石を捻るとその手から水が溢れてきた。 「え?」 ランデリネは器を持ってきて、その上に石を置いた。 暫くして叫んだ。 「水よ!」 こうして、飢饉の脱出の一歩をまた歩んだのだった。
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