第二章 スタリンティアの花の隣

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ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「ルルク? 聞こえる?」 リリシャは箒に座って、ルルクに声をかけた。 もちろんここは空。 あえていうなら雲の上である。 ルルクの苦手な高所である。 「ロウエンジェリアス?」 「ふあっ! 何でその名前を知ってるの?」 ルルクは驚いて、リリシャの鞄の中から顔を出した。 「女神よ」 「な、なるほど。マリシス様は口が軽いからなー」 「軽いも何も。それより私はロウエンジェリアスという名前をどこかで聞いたことがあるのよね……」 「もしかして本?」 「そうよ」 ルルクは鞄の中にもう一度、頭からすっぽり入る。 ふさふさの毛は風を受けて逆立っていた。 その本は神話であった。 そこに銀の狼も出てくる。 神の恋愛の話であり、マリシスという女神も出てきたのだった。 マリシスはロウエンジェリアスと共にいつも行動していた。
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