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第二話 ロクシーヌ
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「知っております。ですがこれを見てください」
「それは......」
男が出したのはリリシャも見覚えがある、石だった。
「見てください。ここに水の魔法陣が刻まれています。それも私の師匠が恐れた魔法陣です。普通の魔法陣と違って、かなり無駄がないようですから」
「そうですか……」
「この魔法陣は貴女の物でしょう?」
リリシャは諦めた顔をする。
「ええ、そうですね……」
「では、この石を沢山いただきたいのだが」
「無理ですね。理由を教えてください」
リリシャは即答する。
リリシャが頑張って作った魔法陣の技術の漏洩を防ぐためだ。
実験に使われるかもしれない。
そう思ってリリシャは拒否をした。
「そうですか。理由はそう簡単に言いませんよ。ではこちらに来てはくれませんか?」
「それは、隣国にですか?」
「はい」
「それも無理ですね」
リリシャはこれまた即答する。
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