第二章 スタリンティアの花の隣

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ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「予測はしていましたが、こちらは諦めていませんよ。貴女ほどの素晴らしい人材を子爵に紹介してもらったからには」 「はあ......用事が終わったのなら早く帰ってください」 外国の馬車だから何なのだろうと気になったのに、来た理由がこれとは。 期待外れね。 「リリシャ、聞こえてます」 「失礼いたしました」 リリシャは普通客人から下がらせないといけないところで立った。 「ではお先に失礼します」 リリシャは扉を自分で開けた。 「ねぇ、リリシャ。あの客人にもアッチェリンダの匂いがしたよ」 「ん? 待ってルルク、嘘でしょ?」 「違うよ。特有の匂いがした」 アッチェリンダは感染する。 それも恐ろしいほどの威力で。 リリシャは今、出てきた部屋を外から結界を張った。 結界の技術を既にリリシャは持っているのである。 「早く行動しなくては」 リリシャは再度、扉を開けた。
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