夜焚きに至る-よたきにいたる-

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   バイト先のレストランが定休日の水曜日、余計な金もない俺は涼しさを求めて駅の近くにある、町の図書館にでも行こうかと住宅街を歩いていた。  そんな折、なんともなしに例の空き地に目が留まる。  なんだろう。敷地の真ん中に小さなくぼみが、いつの間にか出来ていた。猫か犬が掘ったのだろうか。それとも、近所の子供が入り込んで掘り起こしたのか。  木製とはいえ、大人では入れない隙間と高さの囲いだから、やるなら動物か子供だろう。  まあ、大した事でもないか。俺は気にせず、その場から離れた。  
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