第1章~選択~

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翌朝、スマホが光っているのに 気付いたつばさは、 通知を開いて見ると沙織里から メッセージが来ていた。 『昨日はありがとうね。 姑が貰った野菜で 色々料理したんだけど、 美味しいのと不味いのの 差が激しくて、まじ食材 無駄にしたなって感じ! 超あり得なくない?』 つばさは、 なんとも言えない気持ちになったが、 シカトするわけにはいかないと思い 返信した。 「おはようございます。 それは残念でしたね。 でもまだまだあるんで またそのうち持っていきますね。」 返信してから数日経ったある日。 [[あ、スマホ光ってる・・・]] つばさは、スマホを開くと 沙織里からのメッセージを読んだ。 「うちの人から聞いたけど、 つばさちゃんも写真好きなんだ? 展示会とか結構行ってるんだって? 自分で撮ったりもするの?」 豊から聞いたのか、 つばさが写真好きという部分に 沙織里はえらく食いついてきた。 「実はあたしも写真好きなんだ! まぁ見る専門だけどね。 今度一緒に行かない?」 同じ趣味で、自分が好きな物を 否定しない沙織里に つばさは心を開き始めていた。 [[意外な共通点あったんだなー]] 数日後、 1ヶ月限定展示会の 広告を見つけたつばさは、 沙織里に連絡し、 2人はわくわくしながら 隣町へと向かった。 展示会のテーマは 『~神話~神の住む世界~』 というものだった。 2人は展示場の扉を開けると あれも素敵、これも素敵と 静かにしながらも楽しんでいく。 一番奥に差し掛かった時、 つばさの目に1枚の写真が入ってきて 何故か足を止め その写真に見入ってしまった。 その写真はギリシャの写真だった。 写真の下にアクロポリスが写り 独特な町並みと 真っ青な海、少し厚い雲があった。 写真中央から 少し右に天使の階段と呼ばれる 太陽の光が一筋差し込んでいる。 光の中に 何か小さい影のような物が写っていて、 つばさはその影から目が離せなくなった。 それは沙織里がどんなに話かけようとも 振り向く事なく その空間にはまるで つばさとその写真しかないような。 そう思えるほどに 彼女はしばらくその写真を見つめ続けた。
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