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参謀役 真田雪乃
「なんで……そんな大事なこと黙ってたのよ……」
沈黙を破ったのは雪乃だった。
「倭!! このところずっと変だったのは、このことを先に命様から聞かされてたからなんでしょう!? なんで黙ってたのよ!!」
倭に詰め寄り大きく体を揺すって雪乃は倭を責める。
「ばっかじゃないの!? それで鬼を斬るなとか……そんなんで命様を守れるとでも思ってんの!?」
「じゃあ、どうしろって言うんだよ!!」
思わず倭は腹の底から叫んだ。
「この半月、文献という文献を読み漁った! 石化を解除する方法も、鬼の邪気を浄化させる方法も、穢を出さずに鬼を倒す方法も!! 何一つとして手がかりはない!」
倭は両手で顔を覆った。
「どうすればいい? どうすれば救える? このままじゃ俺はこの手で千夜を殺してしまう……」
震える倭の声に、雪乃が応えた。
「最初っからそういえば良かったのよ! 隠密機動隊 守護・参謀役のこの私、真田雪乃にね!!」
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