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彼女の話
私は、タイムリーパーだ。
どんなタイミングなのか、
何がきっかけなのか分からないけど、
気がつくと1998年に戻っている。
初めての時は戸惑ったけど、私はすぐに順応した。
タイムリープを繰り返すうちに、自分に合うダイエットを見つけて、スタイル抜群になることもできたし、メイクも上手になるから、自分で言うのも何だけど、めちゃめちゃ可愛くなった。
苦手な人の対処法も身につけたから、どんなところに行っても、人気者になることもできる。
「タイムリープって、なんて楽しいんだろう」
私は、心からそう思っていた。
何回目かのタイムリープから、同じ男性に会うようになっていた。
「また会いましたね」なんて言ったら、どう説明していいか分からないので、常に「初めまして」で通していたけど。
こんなに何度も会うなんて、運命の人なのかと思ったけど、何かが違う気もする。
ただ、彼は私に気がある。
それは、すぐに分かった。
しかも、とてもお金持ちみたいだ。
「よし。この人生は、お金持ちの彼と結婚して、贅沢三昧してやろう」
そして、彼と結婚した。
彼は、すごくすごく嬉しそうだった。
私も嬉しかったけど、理由は、
思っていたよりも、ずっとずっと彼がお金持ちだったから。
でも、私は欲張りだ。
結婚してすぐに、彼に高額の生命保険をいくつもかけておいた。
あとは、彼が死んでくれるのを待つだけ。
「…待つ?
そんな必要ある?
どうせまたタイムリープするんだから、
雑に殺っちゃってもいいいんじゃない?
何事も練習、練習っと」
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