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私は重い体をシーツから無理矢理引き剥がすようにしてベッドに起き上がる。
昨日は寝たのか寝ていないのかわからないまま、朝を迎えてしまった。
そのまま体を引き摺るようにして階段を下りていくと、リビングには既に明かりがついていた。
「……里香、ごめんね。あなたがそんなふうに思っているなんて知らなかったの」
姉は泣き腫らしたような赤い目をしながらそう言った。
多分、私以上に寝不足なんだろう。声もかなり掠れている。
「……私、変わろうと思うの。そろそろ仕事も見つけなきゃ、って」
「そう……。私も言い過ぎた。ごめんなさい」
でも、そう発した声は自分でも驚くぐらい冷ややかなものだった。
そんなこと言ったって、多分姉は変わらない。
そして私も……。
早くこの家から出なくては……。
私は会社に向かう通勤電車の中で、元永さんに「話がある」とメッセージを入れた。
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