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第1章~出逢い~
「おはよう!」
「おはよう。」
「水着もって来た?」
「持ってきたー」
「今日本当にプール入るのかな?」
「雨降りそうだよねー」
他愛もない
中学1年の夏。
夏休み前の生徒達は
楽しさで胸を膨らませていた。
朝礼開始のチャイムが鳴り響き
とあるクラスには、担任教師と
1人だけ制服の違う生徒が入ってきた。
教師からの紹介もそこそこに
その生徒が挨拶をする。
「辺見カイトです
よろしくお願いします」
えらくさっぱりとした挨拶に
教室内は静けさが訪れた。
「席は高原の隣だな」
教師がそう言うと窓際にある
一つだけ空席の机に
カイトはゆっくり歩いて行った。
教壇に向かってカイトの
目の前の机にヒカルが居た。
カイトがヒカルの机まで歩いて来た時
2人は目が合った。
「よろしくね」
ヒカルが優しく微笑むと
カイトは頷きながら
「よろしく」
と言った。
これが2人の出逢い、
カイトの一目惚れだった。
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