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気付けば辺りは薄暗くなろうとしていた。
ヒカルはもう部屋にはおらず
カイトはゆっくりと
自身の家へ帰って行った。
びしょ濡れになったカイトは
脱衣所で服を脱ぎシャワーを浴びた。
高い位置からシャワーを出し
頭からゆっくりと
温めのシャワーをかぶる。
ふと
またあの瞬間を思い出してしまう。
まるでスローモーションで
ビデオを見ているかのように、
ゆっくりと、そして彼自身が
興奮するポイントで
更にスローになっていく。
カイトはまた勃起したそれを掴むと
今度は最初から激しく擦っていった。
踊場の時より
更に硬くなったカイトのそれは
太さも長さもどんどん増していき
あっという間に果ててしまった。
この日から
カイトは更に過激なヒカルを
見たいと思うようになっていった。
しかし
葛藤していたのも事実だ。
過激なヒカルを見たいが
犯罪になってしまわないか、
こんな自分を彼女は
軽蔑するのではないか、
カイトの中の善良な彼が
必死に感情を
コントロールしようとしていた。
数日後、
カイトは部活を決める為、
学校に居た。
運動部を一通り見た彼は
校舎内の部活を見学していた。
「あのー
すみません!
夏休み前に転校してきた
辺見君だよね?」
カイトを呼び止める声に彼は振り返った。
「私、美術部の部長、田島です。
いきなりで申し訳ないんだけど
モデルになってくれない?」
話を聞くと
デッサンのモデルになる人が居なくて
困っていたらしく
カイトの話を聞いた部長が
ずっと声を掛けようとしていた。
部長の後ろにあるドアの中に
複数人の美術部員達が
キラキラした目で
カイトと部長を見ていた。
「あの人?転校生って!」
「そうそう!イケメンじゃない?」
「やば!めっちゃイケメンじゃん!」
「顔整ってるー!」
「カッコいいー」
カイトには
耳障りに思える声の数々だった。
「すみません。
もう入る部活決めてるし
急いでますから。」
冷たくあしらったカイトは
音楽室へと向かって行く。
2階に上がると微かに
ピアノの音が聞こえてきた。
優しい音色にカイトはすぐ
ヒカルが演奏している事に気付いた。
3階の音楽室の前に来ると
ピアノの音は止まってしまった。
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