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最終章~証言~
うー
うー
遠くから聞こえるパトカーの音は
徐々に近づいてくる。
キーッ
キッ
バタン
バタン
黒いセダン2台と
同じく2台のパトカーから
ぞろぞろと人が降りてくる。
手袋を嵌め、門を開け
リビングの大きな窓を壊し
中に入っていく。
「おいおい・・・うっ・・・
まじかよ・・・
なんだこの家は・・・ぉえっ
窓という窓は全部開けろ!!
応援も呼べ!!
確実に死体あるぞ!!探せ!!」
警察が家中を捜索し始める。
柏聖が未成年者への性的暴行で
その名は地に落ちた。
次の稼ぎ手として両親が
柏玲奈を捜索し始めた事で
数名の行方不明者とヒカルが繋がり
そしてカイトの犯行が浮き上がったのだ。
「先輩!浴室に来てください!」
捜査一課の刑事
桜井 華子(さくらい はなこ)が
バディである捜査一課の刑事
米津 力(よねづ ちから)を呼んだ。
米津が浴室に行くと
家中に広がっていた異臭が特に濃く
浴槽は厳重に蓋がしてあった。
タイミング良く鑑識が到着し
無理矢理打ち付けられたネジを外し
米津が恐る恐る蓋を開けた。
鑑識班の班長、
塚田 勇(つかだ いさむ)と
米津、桜井は絶句した。
駆け付けた新米の鑑識班の男が
それを見て嘔吐してしまった。
そこには3名の胎児の遺体と
複数人分の臓器などが
ドロドロに溶けて腐敗していた。
「きっっっつ・・・ぉえっ」
桜井が吐きそうになるのを
必死に堪えていると険しい顔で
米津が言った。
「桜井・・・特班呼んでこい・・・
でけぇ山だぞ。」
コンコン
「壱能さん!お願いします!」
桜井は急いで2台目のセダンに行き
特殊犯罪特殊捜査専門班、班長
壱能 晴明(いのう はるあき)
を呼んだ。
後輩の
笠間津 春(かさまつ はる)も
アタッシュケースを抱き締め付いてきた。
浴室に行くと
壱能は米津に文句を言った。
「ものすごーく良い所だったんだよ?
推しの進化を見逃したじゃないか!
・・・てか・・・酷い臭い!!
もう!!米ちゃん!!
・・・ちゃんとお風呂入ろ?
皆の迷惑だよ?」
「ぅるっせーな!!
俺じゃねーよ!!
現場見たらわかるだろ!!
さっさと始めやがれ!!」
「ちょっと!?
僕は米ちゃんの部下じゃないんだから
命令しないでほしいね!!
愛しのジュゴンが進化したってのに
興味無いなんて信じられない!!」
一気にその場が賑やかになり
まるで猟奇殺人事件の現場とは
思えなくなった。
一気に現場の空気を
変えてしまった壱能という彼は
霊視能力に長けていて
難しい事件には必ず米津が駆り出され
それに付いていき手柄を挙げていた。
スマホで海獣育成ゲームをしながら
1階から3階まで見て回る。
米津、桜井、笠間津、塚田も
付いて回る。
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