森の精霊

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 怖い、という気持ちがあるのに視線を外せない。  道路脇に立つ姿は、神の使いかと思うほど美しく見えた。  どのくらい視線を合わせていたか分からない。  でも、(つの)の大きなエゾシカは、視線を私から道路右側の森へと移し、ゆっくりと移動を始めた。  その後ろを、数頭の鹿が続いていった。  私は、その姿を黙って見送るしかできなかった。
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