森の精霊

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 そして、峠の頂上は違うけど、すぐに目的地の街に入る。  全然人家がない峠まで、あの街の区域に入ると知った時は相当驚いた。  街の境界線にはそれほど興味はないけど、目的地のカントリーサイン(○○市町村です、という看板-北海道はイラスト入りです)を見ると、もう少しで到着だと、頑張りが出るものだ。  ……到着するまでの下り坂が相当大変だけど……  でも、ほとんど通ることのない道に対する興味はある。  峠の頂上で一休みして、名物を食べたい。  時間の余裕があったら通ってみたい。  そんなことを考えるうちに、左側に見えていた湖が、森へと変わった。  「いよいよ山越えか」  私は小さくつぶやくと、ハンドルを握り直した。
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