妄想<現実

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「頭痛てぇ...」 あれ?俺、いつベッドに来たっけ? 完全に飲み過ぎた。 昨夜の記憶がない。 俺は二日酔いで、だるい身体を無理やり起こした。 「おはようございます。公近さん。」 「おはよ。」 「顔色が優れませんね。」 「昨日、飲み過ぎたみたいだわ。」 「昨夜は可愛い公近さんを見せて頂きました。」 ん?なんの事だ? 「もしかして、覚えてない?」 「全く。」 「んはっ、なら僕だけが知ってる公近さんですね。」 「俺、なんかしたのか?」 俺は恐る恐る紅林に尋ねた。 「思い出すまで内緒です。」 「教えろ。」 「嫌だー」 「おい、気になるだろ。」 「これは昨日の公近さんの真似です。お強請りも上手でしたよ。」 紅林は俺の顎を持ち上げた。 「だから距離が近いって//」 「昨日はもっと近かったのに。」 これより近いってことは、キスしたってことか? 「思い出した?」 「だめだ。何も思い出せない。」 「酒は飲んでも飲まれるなですね。」 「返す言葉もありません...」 「そんなに落ち込まないで、今日はゆっくり休んでください。僕は二日酔いに効くメニュー作りますね。」 「何から何までお世話かけます...」 「そう思うなら、僕以外の人の前では馬鹿な飲み方しないでください。公近さんは隙が多すぎる。」 紅林は真剣な顔で、俺の頬にそっと触れた。
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