お金はあるが、生活能力はない

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午後5時。 そろそろ姉が雇ったハウスキーパーが家に来る頃だ。 その頃、俺は休憩という名目でキッチンの換気扇の下で煙草を吸っていた。 ピンポーン インターホンが鳴った。 モニターをみると、若い男が立っていた。 想像と違い過ぎる。 「はい。」 「私、藤枝美琴様の依頼で参りました、ハウスキーパーの紅林朔と申します。」 「今開けます。」 俺はオートロックの解錠ボタンを押した。 そして、紅林が部屋に着く数分の間、俺は部屋の現状をもう一度見回した。 そして頭を抱えた。 俺の偏見だったのだが、てっきり母親世代の方が来ると思っていた。 それなのに、自分より恐らく年下のイケメンが来たことに、俺は動揺を隠せなかった。
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