+αの誘惑

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「書けた、、」 何時間、パソコンと向き合っていたのだろうか? 俺はスマホのデジタル時計を確認した。 「3時か。風呂入って寝るか。」 俺は風呂に入る為、自室を出た。 するとリビングに灯りがついていた。 「え、」 キッチンのテーブルには、俺の夜食のおにぎりが2つ用意されていた。 そして、リビングのソファーにもたれ掛かりながら、紅林が眠っていた。 「俺が書けるまで待ってたのか?」 俺は寝ている紅林を起こさないように、そっと毛布を掛けた。 「う……すみません、僕、寝てましたね。」 「今、3時だよ。待っててくれたのか?」 「迷惑だとは思ったのですか、書けると言った以上、公近さんの原稿が完成するまでは起きてようと、でも寝てしまいました……」 紅林は申し訳なさそうな表情で言った。 「今日は遅いから、泊まっていくといい。部屋なら余ってるから。夜食もありがとう。」 「公近さん。僕みたいな男を簡単に家に泊めたら襲われても文句言えませんよ。」 そういうと、紅林は起き上がり、俺をソファーに組み敷いた。 「おい、離せ!」 「しー。夜中ですよ。」 紅林は俺の首筋に軽く吸い付いた。 「何した?/」 「印を付けました。」 俺は紅林の言ってる意味が分からなかった。 「それでも、僕を泊めますか?」 「……うん。」 「公近さんは優しいですね。」 紅林は俺の上から退いた。 俺はソファーに横になったまま、呆然と紅林を見た。 連日の徹夜続きで頭が回らない。 「わるい、もう寝そう。」 「ははっ、ほんとに警戒心がない人だ。」 紅林が何か言っている。 でも俺は眠気に抗う事はできなかった。
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