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「じゃあ…もう行くな?」
窓越しに、優しく笑いかけてくれた佑弥くん。いっぱい…ありがとう。凄く幸せだったよ。
『──…ばいばいっ、』
閉まっていく窓を見つめながら、小さく呟いた直後…佑弥くんの車が発進してしまった
大好きだった…っていうか今も普通に大好き。
きっとしばらくは立ち直れない。ズルズルズルズル引きずりながら生きていく…佑弥くんより素敵な人なんて絶対に居ない。佑弥くん以外の人とっ…一緒になんてっ、
『……無理だよっ、』
見えなくなってしまった佑弥くんの車。ようやく涙を流すことが出来ると分かった瞬間から、ダラダラと涙が止まることなく溢れ出す。
全然…無理だった。思い出作りなんて、余計に辛くなるだけだった。馬鹿なことをした、会わずに"サヨナラ"を告げた方がよっぽど楽だった
楽になりたくて離れようと決めたのに、一緒に居ても…離れることになってもこんなに苦しいなんてっ…どうせ苦しいなら、一緒にいる道を選択すれば良かった。
もう遅い…何もかも全部自分で決めたことだ。今更どうしようも無い。最初から佑弥くんの隣は私じゃなかった。私は佑弥くんにたくさん幸せをもらったじゃないか。いい加減─…
佑弥くんを、好きな人の元へ返してあげよう。
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