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「……これはっ…?」
『それ…佑弥くんに渡して貰えませんか?』
"佑弥くんへ"っと私の字で書かれた手紙。それを梨麻さんに託すのにはいくつか理由がある
『私、佑弥くんとは別れます。っあ…でも今すぐに"別れよう"って言ってもあの人は多分受け入れてくれないだろうから…徐々にフェードアウトさせていこうって思ってて、、』
会えない…っと、何度か約束を断り…連絡の回数も減らしていく。遠距離恋愛にありがちな"すれ違い"を演出して…よくある終わり方を迎えようと考えていた。
しかし…そうなれば梨麻さんと佑弥くんを会わせることなく終わってしまう。せっかく二人、また結ばれようとしているのに、それを邪魔するようなことはしたくなかった。
──この際、背中を押してあげよう。私はいい人じゃないから付き添ってあげることは出来ないけど"きっかけ"作りくらいにはなれるだろうと考えた。
『時期がきたら、佑弥くんと新大阪の駅で待ち合わせする約束をするので─…私の代わりに会いに行って貰えませんか?』
「……なんでっ、私…莉久さんと佑弥に別れて欲しかったわけちゃうで?!佑弥に会ってから私のことをまだ好きやって思ってくれてるならやり直したい…って、そう思っただけで!今すぐに別れて欲しくて莉久さんに会ったわけじゃ、」
『─…私が嫌なんです。もう疲れたんですよ、聞きたくないんです…佑弥くんの口からあなたの名前が出るのを…もう受け入れられない』
顔の知らない元カノとは違う。顔も…声も中身まで知ってしまったから…どうしても梨麻さんと自分の違いを比べてしまう。
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