陸〜Riku〜

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『佑弥くんは…優しい人だから。多分梨麻さんが直接連絡を取って"会いたい"って言っても…私に気を使って会わない選択を選ぶと思うから…だから、私との約束に梨麻さんが行くのが一番いいと思ったんです。』 「じゃあ…これはっ…?」 『"莉久さんから手紙を預かった"って言えば、会いに行く口実が出来るでしょ?7年も会ってなかった好きな人に…約束もなく会いに行くのって凄く勇気がいることだと思うから─…』 だから、私を利用すればいい。私は…佑弥くんにたくさんの愛をもらったから。次は二人が…幸せになる番だよ。 『っあ…別に恨み言とか、そういうことを書いてる内容じゃないのでっ!一言二言、感謝の気持ちみたいなものを書いただけの手紙。だからその手紙を…佑弥くんに渡してもらっていいですか?』 梨麻さんは…ボロボロと大きな瞳から大粒の涙を流し始める。 「あ…りがとうっ…ございますっ、」 頭を下げて私に感謝の言葉を述べる彼女を見てい…やはり不安だったのだろうと察する。 「佑弥が…会ってくれへんかったらどうしようって、ずっと思ってたからっ…会える口実が出来て良かったって思うけど、、莉久さんの気持ち考えたら、喜ぶことなんか、できへんっ、」 あぁ…いい子だなぁ、ほんとに。佑弥くんって女性を見る目あるなぁ…私が男の子でも梨麻さんみたいな人と付き合いたいって思うよ
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