陸〜Riku〜

142/146
前へ
/213ページ
次へ
『じゃあ…佑弥くんとの約束の日が決まったら連絡しますね!手紙…渡す必要が無かったら渡さなくても大丈夫です。健闘を祈ってます!頑張ってください!』 改札口まで送ってくれた梨麻さんに笑顔で別れを告げた。もうきっと二度と会うことは無い。いや、会いたくない。 二人が結ばれればいいとは思う。それは本当にそう思ってる。けどその後の二人を知りたいとは思わない。 幸せになって欲しいとは思うけど、幸せそうな二人を見るのは…まだ今の私には辛い。 「……佑弥が、もし私じゃなくて莉久さんを選んだらその時はっ!今度は私が莉久さんのこと応援するからっ!!」 背を向けた時、後ろから梨麻さんの叫び声が聞こえてきて…有り得ない未来を想像してまた胸が苦しくなった 思い出のデート。ジンベエザメ…買ってもらうんじゃなかったな…こんなぬいぐるみがあったら、一生佑弥くんのことを忘れられないじゃん 最終の新幹線に乗って東京に向かう車内で、佑弥くんからのメッセージが届いた。 昼間撮ったと思われるジンベエザメと私のツーショットが送られてきていて─… 【東京着いた?仕事何時まで? 終わったら帰り電話してな?心配やから】 佑弥くんのメッセージトークのアイコンの画像が私とジンベエザメの写真になっていて…我慢していた涙が再び流れ始めた
/213ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1159人が本棚に入れています
本棚に追加