海〜Umi〜

4/16
前へ
/213ページ
次へ
「佑弥─…何か変わったな?まぁ…あれから7年も経ってるしなぁ…変わってない方がおかしいやんな」 ───…変わった この言葉はほんま最近よう言われる。職場の人間とかじゃなく、昔っからの連れとかに。 "変わった"とか"明るくなった"って言われることが多くなったんは多分、いや間違いなく─…アイツ、莉久のおかげやって俺は思ってる 「私、結構前から佑弥の近くで立ってたのに…全然気付いてくれへんかったな」 どうやら梨麻は、かなり前から俺の周りをウロウロしていた…らしい。って…何してんねんコイツ、暇なんか? 『お前暇なん?何してんの?ってかもう元気になったん?なんか昔…病気がどうとか言うて、一時期お前死んだことになってたけど?』 こんな風に…梨麻とのことを過去として語れるようになったんは─…この約二年間、最低な俺のことを莉久が支えてくれたからやろうな…って分かってる。 だから…出来ればいま、ここで梨麻と話している姿を莉久に見られたくない。久しぶりに会えて嬉しくないわけやないけど、こんな場面を莉久に見られて勘違い…されたくはない。
/213ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1156人が本棚に入れています
本棚に追加