海〜Umi〜

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また一歩…近付いてきた梨麻から距離をとる。すると、梨麻が今にも泣きそうな顔をして俺を見つめた。 「知らんかったねん、私っ。自分が死んだことにされてたのも…最近知って、大学の時の佑弥の友達が…ちょっと前にSNSで連絡くれてっ、佑弥が私のせいでめっちゃ病んでた時期があったって教えてくれてっ、後悔した。会って…ちゃんと謝りたかった。」 そんなことやろうと思った。死んだとか言われてた人間があんな陽気なSNSを投稿してるとは思われへんかったから。 梨麻は前向きに、何も知らんとどっかで生きてるもんやって…なんとなく思ってた。 『まぁ確かに…お前と別れてから1回…精神的に落ちる所まで落ちたわ。誰とも会わんし、一言も喋らん生活送って…ある意味俺も、自分は1回死んだもんやと思ってる。』 梨麻と別れて…死んだって噂が流れた頃くらいから、俺の精神は確実におかしくなっていった。その頃のことは正直…もう自分でもあんま覚えてない。 ただ…一日中真っ暗な部屋でなんも食べやんとボーッとする日々を過ごしてた。水とちょっとした菓子パンみたいなんだけ口にして…誰とも何も喋らん生活を送っていたせいで、栄養失調になって最終ぶっ倒れて入院するまでに─… 身体的にも肉体的にも病んで、どうしようも無いくらい…落ちる所まで落ちた時期があった
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