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そんな俺を地獄から救いあげてくれたのが、幼少期から一緒やった貴志と…中学からの連れの賢二。毎日のように俺に会いに来て、なんも言わん俺にひたすら話し掛けてくれた。
あの二人のおかげで、俺はまともな人間に戻ることが出来た。だからほんま…一生頭上がらんねん、あの二人には。
──…ていうか、
『お前っ、俺に変な後遺症残してくれたな?あれのせいでほんま長いこと苦しめられたわ。マジであれは梨麻の呪いやって今でも思ってる』
「……の、呪いって…なに、」
『──…リマ、って。なんも無い、無意識のうちに口から飛び出してることがある…って。お前が生きてることが分かった辺りから…俺が無意識にお前の名前を呼んでる…って。なんか連れらによう言われたわ。』
貴志は俺に黙ってたつもりでおるみたいやったけど、アホばっかりの俺の連れ…良くも悪くも正直で…嘘なんかつかれへん奴らばっかりやから─…
"はい、出ましたリマ呼び!"
"俺はリマちゃうって〜!しっかせぇや佑弥"
"性別関係ない?ってか無意識?!怖っ!"
"あれやなぁ、呪いやんソレ"
面白可笑しく…ネタとして扱ってくれたことには感謝したけど。俺自身、もうその頃には梨麻に対しての感情は一切なくて…
精神科に通ったり、カウンセリングを受けたりもしたけど…目に見えへんもんやし、俺自身よう分かってないことを、他人…たとえ医者でも直ぐに治してくれるようなことはなく─…
──…気持ちの問題、トラウマ、錯覚、幻覚
ありふれたそれっぽい言葉をあてられるだけで根本的に何も解決することなく終わった。
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