海〜Umi〜

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「─…莉久さんから、預かった。佑弥に渡してって…頼まれたっ。これを渡すのを口実にすれば、迷いなく佑弥に会えるやろって…背中押してっ…くれた、」 コイツ─…なに言うてんの? 梨麻が言うてることがほんまなら、アイツ…莉久は俺の知らんとこで梨麻と会ってたってことになる ──…何のために? なんで、莉久がこの女と会う必要がある? 「莉久さんっ…佑弥は今でも私のことを好きやって、思ってるみたいやった…好きな人の元に、佑弥を返してあげたいって…泣いてた、」 なに…言うてんの?俺が好きなんは莉久やんっ莉久に決まってるやん、なに言うてんコイツ。 ──…莉久が、泣いてた? そんな、わけないっ。だって俺のおらんとこで泣くなって…約束したから。莉久は俺に黙って勝手に知らん女に会いに行ったりするようなアホやない。 ちゃんと俺に一言っ、相談するに決まってる
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