海〜Umi〜

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「う、佑弥っ…どこ行くんっ、待って…」 急に立ち上がった俺に驚いた様子の梨麻が駆け寄ってきて腕を掴んでくる。っが…それを思い切り振り払って、人前にも関わらず俺は梨麻を怒鳴りつけた 『うっさいんじゃ、ボケ!お前もう元気なんやろ?健康人間やんな?んな勝手に来たんやから勝手に一人で帰れるやろ?!悪いけど俺は今からあのアホに文句言いに行かなアカンから送ったれへんで。どうしても迎え居るんやったら貴志呼んだるからそこで待っとけ。』 「ち、ちがっ…そうじゃなくて…ごめんな?ほんまに、私のせいで…」 『悪いと思ってんやったら、ええ加減呪い解いてくれや。梨麻…俺はもうお前と一緒には居られへんけど、お前には幸せになって欲しいってずっと、もうずっと前から思ってる。』 「──…佑弥っ、ごめ、」 『もう〜…謝んのやめーや、鬱陶しいな。梨麻は何も悪ない。これは俺と莉久(・・)の問題や…会いに来てくれてありがとうな?お前と会えたことはほんまに嬉しいねん。嬉しいねんけど、それ以上にあのアホに対しての怒りが収まらんから…とりあえずもう、行っていい?』 グシャグシャに丸めた手紙を梨麻に見せて俺が笑ってみせると、梨麻は涙を拭ってから…小さく頷いて…笑った。
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