海〜Umi〜

16/16
前へ
/213ページ
次へ
──好きやった、梨麻の笑った顔が。あの頃の俺はほんまに梨麻を好きやって思ってた。この先も梨麻にはずっと笑ってて欲しい。お前は一番笑った顔が似合うと思うから。 「─…運転、気ぃ付けてな、莉久さんによろしく!ありがとう…佑弥っ、」 『ほんま、どの口が言うてんねんアホ。お前も気ぃつけて帰りや?また今度…みんなでゆっくり集まろ』 ──…さて、、 ガソリンも満タン入ってることやし?予定全部ぶち壊されたおかげで時間も余りまくってる訳やし? スカイツリー、シバきに行こか。ついでに莉久のポンコツ上司も張り倒して…あのアホを解雇してもらおう。 辞めてしまえばいい、もう二度とこんな勝手な真似はさせへん。いや出来へんように…俺が連れて帰る。無理矢理にでも、引きずってでも、 『莉久…簡単に俺から逃げられると思うなや』 お前が何処に逃げようが、俺がすぐに追いかけて…絶対にお前より先に見つけて、強く抱き締めたるから─… 待っとけ、アホ。6時間後に壮大な喧嘩しようや…ほんでその後仲直りして─…一生分の俺の愛を、莉久…お前一人に全部やるから。
/213ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1149人が本棚に入れています
本棚に追加