陸〜Riku〜

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「あ…あの─…えっと、どうしたらいい?とりあえず一回、抱きしめようか?」 『──いいえ大丈夫です。セクハラです。やめてください、ありがとうございます』 「……うん、いつもの小宮秘書だね。」 別に、進藤常務のせいで泣いているわけじゃないのに─…謎に責任を感じているのか、「明日空港の免税店で好きな物何でも買ってあげる」なんて言い出したので、 『じゃあ…財布とバックとスマホショルダーお願いしますね。PRADAかFURLAがいいです』 「ちょ、ちょっと待って!!そんなに?!いや…うん。全然いいんだけど…いいんだけどね?!」 『……冗談です、何も要らないでので…もう前回のように悪酔いするのはやめてくださいね』 軽く睨みつけながら私がそう言うと、常務は顔を引き攣らせて、、 「あの時はほんと、申し訳ありませんでした」 っと深深と頭を下げてきたのが可笑しくて、思わず笑ってしまった。佑弥くんが居ても居なくても…きっとこんな風に、私は生きていける 日本についたら、佑弥くんに連絡を返そう そしてその時は『おめでとう』って言って、お祝いの言葉を掛けてあげよう。彼が罪悪感を抱くことがないように。この先…私と別れたことを後悔することがないように─…
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