1263人が本棚に入れています
本棚に追加
手続きが終わって、関空に向かう飛行機に乗る。その間佑弥くんは何も口を開くことは無かったけど…ただずっと私の手を握っていた
──…寝てないのかな?
飛行機に乗ってすぐ、目を瞑って眠ってしまった佑弥くん。彼がいつ東京について何時に韓国に来たのか分からない。でも長距離運転をしてから私の職場に向かい飛行機に乗るって─…かなりバタバタしただろうな─…
ジーッと隣の席に座る佑弥くんを眺めていると、突然パチリと目を開いた佑弥くんがこちらを見て…ゴンっと頭突きをしてくる
『痛いよ…』って、自分のおデコを撫でながら佑弥くんを軽く睨みつけると、
「俺の心臓の方がもっと痛かった」
って、そんなこと言わないで。私だって辛かった…佑弥くんを手放すことに胸が痛まないわけ無かった。
「─…家着くまで、何も言わんといて」
そっと、私の手の上に自身の手のひらを重ね…上からギュッと包み込んでくれる。…こんな風に、佑弥くんはいつだって広い海みたいな心で私を包み込んでくれるんだ
──…佑弥くんが、好き。
初めて伝える、精一杯の私のワガママを…どうか怒らないで聞いてください。
そして余裕があればまた─…
強く抱きしめてください。
最初のコメントを投稿しよう!