海〜Umi〜

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「彼女の直属の上司は私では無いので…申し訳ありませんがどうにも出来ないです。」 機械みたいな返事を返してくるその男、まぁそれもそうやろうな。莉久の上司はあのポンコツ常務やから─…コイツも立ち位置的にはポンコツよりも下なんやろう 「─…ですが、彼女がいま何処にいるかは知ってます」 ………なんて? 「韓国です、トラブルが起きて…急遽今朝韓国に飛び立ちました。明日の飛行機で帰る…っと業務用の共有スケジュールアプリに先程入力がっ、」 『どこ…?どこの空港から飛行機乗るん?!時間は…?何時って書いてた?!』 なんやねんコイツ…めちゃくちゃ有能やんっ!俺の欲しかった莉久の居場所─…明日乗るであろう飛行機の便、時間など全て教えてくれた男に…お礼を言おうと目を合わせた時─… 「僕はあまり人に対して感情を抱くことはありませんが─…小宮秘書はとても、素敵な女性だと思います。それは多分、私生活を貴方と共にしてきたからだと思います。」 ………は?なんのはなし? 「"佑弥くんの一番になりたかった"。そう言って涙を流す彼女を…僕は抱きしめてあげることなんてもちろん出来ませんでしたが、いつだって彼女は貴方のことを思ってましたよ」 次で会うのを最後にする 元カノの為に身を引こうと思う ─…好きな人には幸せになって欲しい
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