陸〜Riku〜

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陸〜Riku〜

「─…おはよう、マヌケ。大阪着いたで。帰ろう…莉久」 いつの間にか眠ってしまっていた私に声を掛けて起こしてくれた佑弥くん。自分も気が張っていたのか…隣に佑弥くんがいる安心感からか爆睡してしまったみたいで。 空港についてもまだ意識がハッキリしなくて、手を引いて歩いてくれる佑弥くんにただただついて行く。 いつか─…関空から心斎橋へ向かう時、私が乗り間違えたみたいなハプニングが起こることもなく…ちゃんと佑弥くんのお家に向かうために一番効率のいい路線を選んで列車に乗り込んだと思われるのですが、、 『……っえ…?!佑弥くん、車じゃないの?』 違和感を覚えて一瞬にして目が冴えた。 「は?いや、俺…お前ん家行ったって言うたやん。一番早い便が羽田発やったから…俺の車は今頃羽田のパーキングで爆睡してるやろな」 ……ん?っえ、じゃあ一緒に東京に帰れば良くない?なんで大阪?!また東京まで車取りに戻らないといけないよね?!なのに、なぜ大阪? 「俺、お前に見せたいもんあんねん。何考えてんか知らんけど、それだけはちゃんと見て欲しい。一応あれお前の誕生日プレゼントやから」 そういえば…なんかそんなこと言ってたっけ。
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