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二人─…一緒に並んで駅からの距離を歩く。そんな何気ないことが多分いちばんの幸せ。
離れた距離に居るからこそ、そう思える。近くにいる時間が長いと…そんな感情は薄れていってしまうだろう。
通い慣れたこの道も─…もう来ることが無くなるのだろうか?
佑弥くんの一人暮らしのマンションが見えてきて…いつもとは違った緊張感に支配される。私ちゃんと話せるかな?思ったことを伝えるって…とても勇気がいることだよ。
そんなこと…本当に私にできるのかなっ
鍵を差し込みガチャ…っとドアを開けて中へ入っていく佑弥くんに続いて『お邪魔します』っと言って足を踏み入れる。
「──…おかえり、莉久」
振り返った佑弥くんが、優しく私に微笑んでくれた。大好きな…佑弥くんの笑顔。私だけに向けてくれる優しい表情。
全部、ぜんぶ…ゼンブ、独り占めしたい。
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