プロローグ

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プロローグ

 諸星(もろぼし)カナタ。  彼は世界の救世主だった。  礼儀正しく、皆のお手本となるような好青年。巨大な敵を倒すヒーロー。  本当の彼に近づき解像度が上がると、そんなイメージから遠く離れた人物だとわかったはずだ。  女たらしで馴れ馴れしく、口数は多いくせに本心をなかなか見せない。  初対面は大変失礼な奴だと感じた。  だからこんなことになって驚いている。  でも後悔はしていない。  私の世界はもう終わろうとしている。  残り少ない時間、私は彼とのことを振り返ろうと思う。
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