8. ノート

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 昼休み、食堂でサンドイッチを食べるイーディスの前の席に座り声をかけた。 「馬の名前は何?」  紙とペンを渡すと、イーディスは躊躇いがちに文字を綴った。 『シナモン』 「可愛い名前ね」  すると彼女の隣にいたカレンが「私の家には白いオウムがいるの。名前はワルツ」と言った。 「僕の犬の名前はマヨネーズ」  カレンの隣のサムが続く。 「何それ、変な名前!」  カレンが揶揄い、「兄ちゃんがつけたんだ」とサムが口を尖らす。 「どの名前もユニークで素敵よ」  イーディスがくすくす笑うのを見て、私はほっとした。
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