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他校の生徒たちが去った後、リュックを抱きしめていたイーディスが急に泣き出した。
「大丈夫よ、もう怖い人たちはいない」
そっと頭を撫でるも、彼女は涙をぽろぽろ溢ししゃくりあげるばかりだ。
不意にリュックの下の方にある、赤い糸で施された刺繍が目に入った。
『愛するイーディス』という文字ーー。
これは彼女の亡き母の作品に違いない。だからあんなに必死に取り返そうとしていたのか。
「お母さんはあなたを見守ってくれてるわ。あなたを誰より大切に思って愛しているはず」
イーディスをそっと抱きしめた。胸の中で泣きじゃくる彼女が、幸せになるようにと願いながら。
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