14. 参観日

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14. 参観日

 そして迎えた10月の参観日。  今日は生徒たちに、リーディングの授業で学んだことを作文に纏め発表してもらうことになっていた。  最後に指名されたイーディスは、おずおずと立ち上がり紙を開いた。 「この前、銃を持った男の人がきた。すごくこわくて死ぬとおもった。  死んだら、先生にも友達にも会えない。  私もみんなも、いつ死ぬかわからない。ママみたいに、いきなり死んでしまうかもしれない。  だから会えなくなる前に、ぼくがエルフィーにしたみたいに、みんなに愛してるってたくさん伝えたい」  拍手に包まれたイーディスは、はにかみながら着席した。  涙で全てがぼやけて見えた。
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