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「悩んでるようですね」
放課後、頭を抱えている私に声をかけてきたのは、スクールカウンセラーのテイラーさんだ。ふくよかで笑顔の素敵な彼女は、事情を聞きなるほどねと頷いた。
「イーディスがいる施設はあまり評判が良くないの。虐待の噂も」
「ええ?!」
「何度も施設と連絡を取って彼女を別の施設に移そうとしたんだけど、上手くいかなくて」
「どうにかできないんでしょうか? それではあまりにも彼女が不憫すぎます」
母を自殺で失った挙句、施設でも親と相応の愛情を与えてもらえないどころか、更に傷つけられている現状に怒りが湧いた。
「いい里親が現れればいいんだけど、あの通り口をきかないし暗いから、誰も引き取りたがらないらしくて‥‥‥」
何か私にできることはないだろうか。考えているより、行動に移した方がいい。
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